多くの人が抗がん剤で不安に感じているのは副作用です。しかし、知識を得ていれば抗がん剤は副作用が体にあらわれても落ち着いて対処することができます。副作用によって味覚の変化や脱毛などが起きた時に落ち着いて対処できるように対処法を学んでおきましょう。

抗がん剤とはなにか

錠剤

がんの治療方法

がん治療は、手術による腫瘍の摘出、放射線療法による患部への放射線照射、化学(薬物)療法による抗がん剤という3種類の方法で行なわれることが一般的です。その中でも体の広範囲に渡ってがん治療を行うことができるのが抗がん剤です。

抗がん剤の効果と役割

抗がん剤はがん細胞の増殖をおさえたり、がん細胞そのものを破壊する効果があるものなど、その種類によって様々な効果があります。しかし、抗がん剤を使用する上で1番のメリットは、体の広範囲に渡ってがん治療を行うことができるということです。手術療法や放射線療法は局所的な治療ですが、抗がん剤は一回の投薬で複数箇所の治療を行うことができます。そのため、転移などで体の様々な箇所にがんが発見されている時の治療においては手術や放射線療法よりも有効です。

抗がん剤の主な副作用と対処方法

副作用について

抗がん剤はがん治療に効果はありますが、リスクとして副作用が発生する場合があります。味覚障害や脱毛など、副作用の中には日常生活に影響が出るものもあります。しかし、あらかじめ対処法を学んでいれば副作用のリスクは軽減でき、日常生活の支障を減らすことができます。ここでは、そんな主な副作用と対処法について説明していきます。

味覚変化

症状:抗がん剤治療中、多くの人に起きるのが味覚障害です。食べ物が苦くなったり、塩味が全くしなくなったりする他、特に多いのが金属の味がするという現象です。それに伴い食事が苦痛に感じ、栄養補給のモチベーションが悪化してしまうといった問題が生まれます。なお、味覚障害は自然に回復し、治療後数週間ほどで元の状態に戻る人が多いです。

対処方法:濃い味の調味料を用いたものを食べるのが推奨されています。カップ麺やカレーライスなど味の濃いものや、果物類などの甘いものは特に効果的とされています。他にも、レモンや酢の物、漬物といった後味が残る食べ物も味覚障害時に美味しく味わうことができます。また、匂いも普段と比べて変化している場合は室温に冷ました料理だと匂いが控えめになっているのであまり気になりません。

倦怠感

症状:抗癌剤治療開始から数日経った頃から全身がだるく、激しい倦怠感に襲われることが多いです。理由としては、細胞の死滅時に放出されるサイトカインという物質が原因か、もしくは抗がん剤で健康な細胞もダメージを受け、その回復のために余分なエネルギーが使用されていることだと言われています。この症状は、数日程度で回復することがほとんどです。

対処方法:倦怠感を感じるときは、十分な睡眠と休息を取り、体を休めるのが最善の手段です。趣味で気分を紛らわしたり、散歩など軽い運動をすることで気分転換をして心身をリラックスさせるというのも有効ですが、治療を受けた日の運動は推奨されていませんので、大事を取って休みましょう。

脱毛

症状:脱毛は、味覚障害と同じくよくある副作用の1つです。抗癌剤治療を初めて2~3週間頃に副作用があらわれ、頭髪を始め体毛も抜け落ちます。これは一時的なものであり、抗癌剤治療が終われば頭髪はもちろん体毛もまた生え始めます。副作用の中でも回復が早い部類に入り、ヘアスタイルにもよりますが半年程度で回復します。

対処方法:対処方法としては、脱毛後に頭皮にダメージを与えないようにケアを行うことが大事です。他にも、副作用が現れる前に髪の毛を短く刈っておいたほうが部屋の中が頭髪や体毛で汚れるのを防ぐことができます。また、見た目が気になる場合の対処法として、カツラや帽子、スカーフなどで頭部を隠すのも有効です。

いつまで副作用が続くのか

なぜ副作用がおきるのか

そもそも、なぜ抗がん剤を服用すると副作用が起きるのか。それは、抗がん剤ががん細胞のみならず、正常な細胞も攻撃してがん細胞を破壊するからです。抗がん剤は細胞分裂が活発な場所により働きかける性質があるので、消化管や毛根など、頻繁に細胞分裂をしている箇所はその分抗がん剤による負担がかかりやすくなってしまいます。そして負担がかかった結果、ダメージを受けた箇所の器官の機能が弱まってしまい、その影響で体に副作用が生じてしまうのです。

副作用が起きる期間

個人差

抗がん剤の副作用で多くの人が気になるのが、「いつまで副作用は続くのか」ということです。結論からいいますと、副作用が続く期間は個人差があります。抗がん剤の種類や患者の体力によって発生する副作用の症状や回復期間に正確な期間はありません。しかし、健康な細胞は回復も早く、基本的には短期間で副作用はおさまることがほとんどです。なお、数年以上副作用で悩んだという例もありますが、そういったケースは極めてまれであり、長期にわたって副作用が続くといったことはほぼありません。

医師と相談することによる改善の可能性

副作用の対処方法として、医者に相談するというのは適切な対処方法の1つです。現在は、抗癌剤の副作用も昔の薬に比べるとだいぶ軽減されているのに加え、近年では副作用を和らげる薬も多く開発されています。よって、副作用の影響で日常生活に大きな支障が生まれているのでしたら、相談をして薬を処方してもらいましょう。

微笑む医師
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